ラウドミュージアムは12/30まで営業で、12/31〜1/1まではお休みです。
2010年 1/2の12:00から初売りしますので、皆様宜しくお願いします。
昨日、予約の福袋は発送しましたので、ご注文いただいたお客様には1/3に到着予定です。
1/2の初売りも若干の福袋を用意してお待ちしてます!
今年も本当にお世話になりました。
来年も精進して頑張りたいと思っております。
「ジョニースペード妄想物語 ラウドミュージアム未来系」も今日で最終回です。
俺の無茶苦茶な妄想物語も終了でございます。お付き合いしてくれた皆様、ありがとうございました。
このブログのアクセス数も毎日かなりのアクセス数で・・・ありがたく思ってます。
長々と読んでいただき、ありがとうございました。
次回からはアパレルらしい普通の日々のブログにしようかなー?なんて思ってます。
もしかして性懲りもなく、また新しい物語をやるかもしれませんけどね。
それでは妄想物語の最終回!今日はちょい長めです。
*この物語はフィクションでジョニースペード商品とは関係ありません。
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「老師様ですか?」
俺はその老人に言った。
「そうじゃ。お前達は何をしにここに来たんじゃ?」
真っ白な髭を触りながら老師は俺にそう言った。
「お経をもらいに・・・老師様からお経をもらいに来ました。」
俺は緊張しながら老師に言った。
「ウハハハ・・・まさかお経で「願いを叶えたい」とか言うんじゃなかろうな?」
老師は高笑いしながら俺に言った。
「その通りっす!お経でこの二人の願いを叶えて欲しいんす!」
俺と老師の会話を聞いていた沙悟浄が体を前に乗り出しながらそう言った。
「・・・お前達には無理じゃ。」
老師はその伸び切った白い眉の奥から穏やかな目をしながら、俺達に言った。
「えっ!?」
俺はその言葉に耳を疑った。
「いや、何言ってるんすか!?老師様!お経で願いを叶えることは出来るじゃないすか!」
沙悟浄は慌てて老師に大声で言った。
「お前、悪魔か?」
老師は沙悟浄にそう言った。
「そうっす!あたしは老師様にお経でこの二人の地獄行きを変更しに来たんす!何で、何でお経ががもらえないんすか!?」
沙悟浄は怒号にも近い声で老師に言った。
「・・・お前がルカか?」
老師は沙悟浄の本当の名前を口にした。
「えっ!?何であたしの名前を知ってるんすか?!」
沙悟浄は驚いたように老師に言った。
「閻魔が「ルカという老いた悪魔が来たら、お経は渡さないでくれ」と言ってたんじゃ」
老師は沙悟浄にそう言った。
「はぁ?!何すか、それは?!嘘は言わないで欲しいっす!!」
沙悟浄は絶叫にも近い声で老師に言った。
「・・・本当じゃ」
老師は沙悟浄に冷たく言い放った。
・・・沙悟浄はその老師の言葉で呆然としてしまった。
そして・・・突然、沙悟浄は天に向けて大きく腕を広げて、目を閉じて念じた。
「閻魔様!閻魔様!ルカっす!今、天竺に来て老師様のところにいるっす!!」
沙悟浄は空に向かって閻魔に叫んだ。
「・・・・」
・・・何も閻魔からは反応がないのか、沙悟浄は何度も叫んだ。
「閻魔様、閻魔様!何で応えてくれないんすかぁ!!!」
沙悟浄から焦りと苛立ちが滲み出ていた。
「無駄じゃ・・・ルカ。閻魔はお前を切ったんじゃ。お前は古いタイプの悪魔じゃ。もう役目が終わったんじゃよ。」
老師はゆっくりとそう言った。
(嘘だろ!?閻魔が?沙悟浄を?・・・俺は・・・俺達はどうすれば・・・)
俺は老師と沙悟浄を見ながら強烈な不安に駆られた。
「ほれ、お前の代わりの新しい「悪魔」が今、生まれようとしてるじゃろ?」
老師はハルミの繭を見ながら、沙悟浄にそう言った。
「まさか!?」
俺と沙悟浄はジャンボが大事に抱えてるハルミの繭を見た。
「フ、フンガ・・・(えっ!?まさか!?)」
ジャンボは老師のその言葉に驚いて、ハルミの繭を見入った。
ハルミの繭は中の鼓動でドクン、ドクンと小刻みに動きはじめた。
「ハ・・ハルミが?・・・嘘だろ・・・何だ、そりゃ・・ハルミは天使だったんじゃないのかよ!?」
俺は唖然とジャンボが抱えたハルミの繭を凝視した。
「ベリッ!」
すると・・・繭の中から鋭い真っ黒な長い爪が飛び出した。
その繭から飛び出した爪の痕から・・・ドロドロとした濃い緑色の液体が流れ落ちた。
俺と沙悟浄とジャンボは驚愕して目を疑った。
そして・・・俺達は老師が言っていることが本当なんだと悟った。
「・・・・閻魔様、閻魔様!あたしを、あたしを騙したんすかぁ!!!」
沙悟浄は天に向かって絶叫した。
「ルカ・・・お前は昔に人間を助けようとしたらしいのぉ・・・。今もこの二人の人間を助けようとしている優しい悪魔じゃ。しかし・・・閻魔曰く「優しい悪魔は悪魔ではない」そうじゃ・・・」
老師は静かに沙悟浄に言った。
「・・・閻魔様が・・・あたしを・・そうすか・・」
沙悟浄は項垂れて、何故か自分の手を見つめていた。
「ボロッ・・・ボロボロ・・・」
沙悟浄の指先が音を立てて地面に落ち始めた。
「あ・・・あ・・沙、沙悟浄・・指!指が落ちてんぞぉ!」
俺は驚いて沙悟浄に叫んだ。
どんどん沙悟浄の肌が乾いた土のように乾燥して、「ポロッ・・・ポロッ」と地面に落ち始めていた。
俺は慌てて、沙悟浄の地面に落ちた皮膚や指を拾った。
「沙悟浄!・・・沙悟浄!!どうしたんだよ?・・・おい!」
俺はその地面に落ちた沙悟浄の皮膚を沙悟浄の体の欠けた場所にくっつけようとした。
その沙悟浄の皮膚は乾燥した泥のようになっていて、元に戻そうとしても無駄だった。
俺はその皮膚の欠片に唾を吐いて、水分でくっつけようと何度も唾を吐いた。
しかし・・・くっつけようとしてる合間にも、次々と沙悟浄の体は泥となってボロボロと崩れてくる。
「おい!・・・おい!沙悟浄・・・沙悟浄・・・畜生!何でだよ・・何でなんだよぉ!」
俺は絶望で涙声になっていた。
「もう・・・もういいっす・・・半沢・・さ・・」
沙悟浄がそう言いかけた時、
「ドサッ・・・ドサドサ!!」
大きな音をたてて、沙悟浄の体が全て地面に崩れ落ちた。
俺の足元に沙悟浄の頭や腕、足がバラバラになって散乱した。
「あ、あ・・・あああ・・・」
俺は背筋も凍るような絶望感で言葉にならず・・・足が竦んでそこに立ち尽くした。
沙悟浄は泥の塊になって朽ち果てていた。
泥の中に沙悟浄が頭に乗せていたセーラームーンの耐熱皿が埋まってる・・・。
「フ・・フガ・・・」
それを見たジャンボは震えて言葉にならない声で呟き、膝を落としてヘナヘナと地面に座り込んだ。
「・・・残念じゃのぉ・・・ルカ」
老師は沙悟浄の泥になってしまった残骸を見て、冷たくそう言った。
「バ、バリッ!!バリバリィ!!」
突然、ハルミの繭が大きな音をたてた。
「フンガー!!(うわっ!!)」
ジャンボは驚いて、ハルミの繭を投げ出すように地面に放り出した。
・・・繭は中から真っ直ぐ、そしてゆっくりと・・・縦に鋭い爪で切り裂かれはじめた。
昆虫が動くように・・・ワシャ・・ワシャと音を立てて鋭く真っ直ぐな爪先が何本も繭の切れ目から飛び出して蠢いている。
(ハ・・・ハルミ?・・・ハルミなのか?)
俺はその不気味な動きを呆然と見つめるしかなかった。
「おぉー、生まれるんじゃな・・・新しい「悪魔」が」
老師は顔に微笑みを浮かべながらそう言った。
「「悪魔」・・・ハルミは悪魔だったのか・・・天使じゃ・・なかったのか・・・」
俺は繭からゆっくりと飛び出してきている黒い蝙蝠の羽のようなものを見ながら呟いた。
それはドロドロとした緑の体液が飛び散る・・・グロテスクな「羽化」だった。
「・・・お前達はこの新しい悪魔の最初の「仕事」になるんじゃろ?」
老師はその「羽化」を見ながら、俺とジャンボに呟いた。
「・・・最初の「仕事」?」
俺は怯えながら老師に言った。
「そうじゃよ。お前達はこの「羽化」した悪魔に地獄に落とされる一番最初の人間達なのじゃよ。」
老師は淡々とした口調で俺達にそう言った。
「えっ!?」
俺は老師に聞き返した。
「この旅は最初から古い悪魔の排除と新しい悪魔の誕生の為に閻魔が考えたもんだったらしいからのぉ・・・お前達はそれに使われただけの脇役の人間じゃ。本当に天国に行ったり、死んだ人間を蘇えらせたりできると思ったのか?・・・めでたい奴らじゃのぉ・・・」
老師は全て知ってる・・・俺はその老師の言葉でそう思った。
「地獄に行く前に仲間達と「夢と希望」の旅ができてよかったのぉ・・・」
老師はそう言いながら、宮殿の奥にコツ・・・コツ・・・とゆっくりと杖を突きながら歩いていった。
・・・俺とジャンボはそこから動けずに立ち尽くしたままだ。
ハルミの繭の切れ目からは、大きな黒い二枚の羽がピクピクと震えながら広がっていた。
(・・・これで終わりか)
俺は死を覚悟し、新しい「悪魔」の誕生を見入っていた。
(沙悟浄が消えて・・・ハルミが沙悟浄の代わりの新しい悪魔として生まれ変わる・・・俺とジャンボは新しい悪魔の初めての「仕事」の餌食としてにここまで旅をしてきたっていうのか・・・)
その時、泥になってしまった沙悟浄の残骸の中からてんとう虫達が飛び立った。
「しずえか・・・」
俺は新しい巣を見つけに飛び立っていくてんとう虫親子の行方を追って見ていた。
すると・・・てんとう虫母「しずえ」が俺の目の前に飛んで来た。
そして「しずえ」はゆっくりと垂れ幕を降ろした。
(ダンカーン、コロッケとって)
・・・俺は運命の流れに観念し、それを変えようとは思わなかった。
***完***
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今日は井上陽水先生の「氷の世界」!
これを聴いた時、あまりのカッコよさにシビレました。
それでは良いお年を!